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Q020:ゲーム会社勤務の旦那の帰りが遅い。なぜ?
ゲームクリエーターの働き方を調査したデータがある。
検索サイトで【平成21年 デジタルコンテンツ 先端技術 調査研究】で検索。
『デジタルコンテンツ制作の先端技術応用に関する調査研究』という報告書。
http://www.dcaj.or.jp/project/report/pdf/2009/dc_09_03.pdf
このPDFを開いてPDFの検索欄に【5.6 開発者の働き方】といれて検索すると、残業時間や忙しい時期の調査報告が業界内の就労状況のデータが色々とのっている。
まず残業時間はというと『5.6.2 労働時間』で、こんな感じ。
5.6.2 労働時間
開発者の労働時間はどのくらいの長さなのだろうか。
本調査結果(日本調査(2009))と、米国調査(2004)を比較してみてみよう(表5.6-
01)。日本では、「45-55 時間未満」(39.6%)が最も多く、次いで「35-45 時間未満」
(31.7%)、「55 時間以上」(27.5%)となっている。米国でも日本と同様に「45-55
時間未満」(38.4%)が最も多くなっているが、「55 時間以上」の層が日本よりも7.6
ポイント少ない結果となっている。
しかし、プラットフォームの進化やマルチプラットフォーム化とともに開発期間の長期
化、開発ラインの複線化などが生じているため、2004 年に行われた米国調査と単純比較
はできない点に留意が必要である。
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一番多いのが、45〜55時間の領域で39.6%。
一か月20日平日勤務があったとすると、毎日2.5時間ぐらい残業している事になる。
夕方6時退社の会社なら夕飯休憩を1時間とすると、退社時間は夜9.5時あたりになる。
通勤時間を考えれば、夜10時すぎに帰ってくる感じかもしれない。
もっとも本当に忙しいなら休日出勤も多いだろうから、平日の残業時間はもっとへる事になるので、毎日ということにはならないけど。
実際には、暇な時は残業ほとんど無し、忙しい時は上の計算ではおっつけないほど残業だらけになる。
じゃぁ、繁忙期ってどんな感じかというと、『5.6.3 繁忙期』の項。
米国との比較で述べられているが、日本部分の結論だけをみると
5.6.3 繁忙期 (注:日本に関する部分と表の一部のみ抜粋。本文は海外との比較も含め
てもっと詳しく解説されている)
・『まず、繁忙期の労働時間であるが、日本では「あらゆるマイルストーンの前」(53.2
%)が最も多く、「最終的なβテストの時」(22.2%)、「毎月」(15.3%)と続く。』
・『次に、繁忙期の長さをみてみると、日本では「2 ヶ月以上」43.6%(「2 ヶ月〜3 ヶ月
未満」と「3 ヶ月以上」の合計)が最も多くなっている』
・『さらに、繁忙期の労働時間をみてみると、日本では「55〜65 時間未満」(31.9%)が
最も多い』
ということで、ゲーム開発のマイルストーン(各作業工程の節目)節目日前の2週間ぐらいは忙しいと思っとけばよい。
それで、繁忙期になりやすい時期があるのかというと、ある。
盆休み(8月)とクリスマス商戦前(12月末)と年度末決算期前(4月初旬)が、その節目になりやすい。
1年で一番売れる時期には出したいし、売上が足りない時には「なんとしても決算報告までに発売するんだ!」となりやすいから。
ゲームのマスターを出してから発売までは、ROMやCD/DVDの量産をする必要から、1月ほど期間が空く。
なので、ビッグタイトルほどこの期間は長くなる。
マスターから大量に同じものコピーしていく工場の物理的な作業だから、これは当然。
なので、結論としては、盆休み・クリスマス商戦に間に合わすために7月や11月あたり、年度末決算にまにあわすための2月あたり、が忙しい時期の末尾となる。
12月は3月発売を目指しているタイトルの場合はやや忙しい時期になってる可能性もあるから、有給消化や代休消化の意味も含めて3月あたりが暇な時期になりやすい。
もっと実態を知りたければ、検索サイトで【ゲーム会社 残業】で検索するといい。
噂を含めて色々話がでてるよ。
『ゲーム開発者の生活と意識に関するアンケート2013 (調査結果速報)』追加
『ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査2014 速報データ』追加
『ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査 2015』追加
『ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査 2018』追加
『ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査 2019』追加
『ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査 2022』追加
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Q106:忙しい職種はどれ?
【ゲーム開発者の就業とキャリア形成 2013】の検索で出てくる報告書で見てみる
『CEDEC』によるアンケート調査の報告書の『ゲーム開発者の就業とキャリア形成 2013』という報告書。
http://cedec.cesa.or.jp/2013/enquete.html
http://cedec.cesa.or.jp/2013/documents/enquete_final.pdf
その中の『4.2労働時間(Q31)』の文中に以下の記述がある。
現在のゲーム会社での労働時間(職種別)は以下のとおりである(表4-2-2)。(5)職種
別では、労働時間(普段)の平均は、プロデューサー(P)が最も長く51.3 時間、次いで
、プログラマー(ゲーム開発)(PG(D))が48.3 時間、サーバ・ネットワーク運営エンジ
ニア(NE)が47.2 時間、グラフィッカー(GA)が47.1 時間であり、その他の職種は約45
時間である。プログラマー(P)は「35時間超40 時間以下」と「45 時間超50 時間以下
」が拮抗しており、それぞれ31.3%、ディレクター(D)とプログラマー(研究、ツール
・ミドルウェア開発)(PG(R&D))、プランナー・ゲームデザイナー・レベルデザイナー
(GD)は「35 時間超40 時間以下」が最も多い。プログラマー(ゲーム開発)(PG(D))、
サウンド(SD)、サーバ・ネットワーク運営エンジニア(NE)は「45 時間超50 時間以下
」が最も多い。グラフィッカー(GA)は「40 時間超45 時間以下」、テクニカルアーティ
スト(TA)は「45 時間超50 時間以下」と「50 時間超55 時間以下」が最も多い。労働時
間(繁忙期)の平均は、ディレクター(D)が最も長く71.8 時間、次いで、プロデューサ
ー(P)が70.1 時間、テクニカルアーティスト(TA)が最く56.3 時間である。いずれも「
60 時間超」が最も多くなっている。
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普通の時なら
プロデューサー:51.3 時間
その他の職種:51.2時間
プログラマー:48.3 時間
サーバ・ネットワーク運営エンジニア:47.2 時間
グラフィッカー:47.1 時間
サウンド:46.8時間
ディレクター:46.6時間
テクニカルアーティスト:45.4時間
プランナー・ゲームデザイナー・レベルデザイナー:45.2時間
研究、ツール・ミドルウェア開発:45.1時間
繁忙期なら
ディレクター:71.8時間
プロデューサー:70.1 時間
プログラマー:68.7 時間
その他の職種:66.0時間
サウンド:65.3時間
グラフィッカー:64.7 時間
プランナー・ゲームデザイナー・レベルデザイナー:64.2時間
研究、ツール・ミドルウェア開発:63.3時間
サーバ・ネットワーク運営エンジニア:62.3 時間
テクニカルアーティスト:56.3時間
の順になるようだ。
感想としてこのデータから解る事は
・プログラマーは忙しい
・ディレクターは繁忙期に忙しい
の2点かな。
でも、自分の体感では以下の順である。
プログラマー>プランナー>>CGデザイナー>サウンド
絵や音の作業は開発中期までに一山超えるので、忙しいマスター時期にはもう別タイトルの作業に移っていて居ない事が多いから。
瞬間的に忙しいというよりは随時忙しい職種とも言える。
自分は本当に長時間働く職種はプランナーでないといけないと思っている。
納品管理や仕様説明をする職種である以上、プログラマーやCGデザイナーやサウンドクリエーターが働いている時は常に連絡取れる状態でないといけないから、全ての職種の忙しい時間+αは会社に居ないといけないのである。
でもまぁ、プログラマーやCGデザイナーにまかせてとっとと帰ってしまってもなんとかなるから、待たないプランナーも多いからなぁ。
ディレクターが繁忙期に長時間になるのは、この「プランナーが長時間働く人でないといけない」理由と同じ。
全ての職種がちゃんと働いているか睨みを利かせる必要があるから。
「う〜、ディレクターがまだ居るから帰れない〜」効果である。 |
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リンクの許可の状態
財団法人デジタルコンテンツ協会 |
『デジタルコンテンツ制作の先端技術応用に関する調査研究』中の「5. ゲーム開発者の就労意識とキャリア形成の課題」章内の「5.6.2 労働時間」と「5.6.3
繁忙期(一部抜粋の形)」 |
報告書の使用許可を頂けました |
CESA |
『CEDEC』の『ゲーム開発者アンケート調査』のコーナーの各年度のデータを使用。 |
リンクや使用の許可を頂けました |
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